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子どもの鎖骨骨折child medicine page No.2

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鎖骨の若木屈曲骨折
(さこつのわかぎくっきょくこっせつ)

転んで肩を突いた際に、鎖骨を骨折することがあります。乳幼児期などでも比較的頻度の高い骨折といえます。
乳幼児における鎖骨骨折では、若木屈曲骨折(わかぎくっきょくこっせつ)ともいわれ、骨折した際、完全に鎖骨が離断するわけではなく、みずみずしい若木がぐにゃっと折れ曲がるような感じの骨折形態をとります。

鎖骨の形状

鎖骨は胸骨と肩甲骨の肩峰との間に位置する管状の骨です。形状はS字状もしくはクランク状と表現される曲がった形をしています。上面から見ると骨幹の外側で後方へ、内側で前方へ突出したカーブとなっています。また、鎖骨は外側へ向かうほど平たく厚みの少ない楕円形を呈しており、逆に内側に向かうほど丸みを帯びた太い三角柱状になっています。
子どもの鎖骨はその両端が成長軟骨で形成されているためレントゲンなどでは描出されず中間の本体のみが写ります。鎖骨の外側と内側の両端を軟骨から骨に形成される核となる骨核(こつかく)は16歳頃から出現し、鎖骨が成人の骨格に完成されるのは21〜24歳頃とされています。

右鎖骨周囲の骨格図

鎖骨上面の図 鎖骨下面の図

鎖骨の部分名称

鎖骨の両端は関節軟骨で形成され、胸骨と関節する内側の先端を胸骨端(きょうこつたん)といい、その関節面を胸骨関節面(きょうこつかんせつめん)といいます。一方、肩峰と関節する外側の先端を肩峰端(けんぽうたん)といい、その関節面を肩峰関節面(けんぽうかんせつめん)といいます。
鎖骨下面の胸骨端側には、やや隆起した粗面が有ります。これを肋鎖靱帯圧痕(ろくさじんたいあっこん)といい、ここに第1肋骨と連結する肋鎖靱帯(ろくさじんたい)が付着します。
鎖骨下面の肩峰端側にも隆起した粗面が有り、その最も隆起した部分を円錐靭帯結節(えんすいじんたいけっせつ)といい、ここに肩甲骨烏口突起と連結する円錐靭帯が付着します。
また、円錐靭帯結節から肩峰端へ向かってやや隆起した稜線が続き、これを菱形靭帯線といいます。ここには肩甲骨烏口突起と連結する菱形靭帯が付着します。


乳幼児鎖骨骨折の原因

高所よりの転落や歩行時の転倒などで肩や肘などを強打した場合にその外力を同側の鎖骨で受け止め、鎖骨が長軸方向に強く圧迫されて折れ曲がるように損傷します。


鎖骨骨折の発生幾転解説図
鎖骨若木屈曲骨折略図

乳幼児鎖骨骨折の症状

鎖骨中央辺り(中1/3)に上方へ突出した変形と鎖骨に限局した圧痛を触知します。患側(痛めた側)の腕を上げる動作が疼痛のため困難になり、腕を上げてごらんと指示しても痛がって嫌がります。また脇の下から手を差し入れて抱き上げると骨折部が刺激されて痛むため、泣いて痛みを訴えたりします。
鎖骨の屈曲変形が強い場合、上方へ突出した鎖骨の変形が視認され、患側の肩幅が健側の肩幅よりも明らかに狭くなったように見えます。また、患側の肩関節が健側の肩関節よりも下がった位置に偏位して見えることもあります。
2歳以上の幼児では痛みを和らげるために患側の腕を健側の手で支え、首を患側に傾ける姿勢をとることがあります。
X線検査では、鎖骨の中1/3の辺りで突出した屈曲変形が確認されますが、乳児の場合は成長過程のため軟骨部分が多く、レントゲン写真で明確な画像を得ることが困難な場合は触診や視診にて診断を確定します。
尚、屈曲変形があまり起こらない程度の骨折では、外見からは判断できない上、レントゲン写真でも判別不能となることがあります。その場合は、主に鎖骨に限局した圧痛の有無や、患側の上肢の挙上が疼痛で困難などの症状から判断することになります。


乳幼児期鎖骨骨折の治療と予後

固定することが主な治療となります。固定期間は約3週間ぐらいで、包帯や専用のベルト(クラビクルバンド)などで両肩をたすき状に固定し、胸を開いて両肩を後ろに引くような姿勢を保持します。また、痛みが強い場合は患肢を三角巾などで吊ります。
固定除去後は特にリハビリなどの必要はありません。大人と違って関節が硬くなるなどの拘縮(こうしゅく)もほとんど起こらず自然に日常通りの動きに回復します。また、変形したまま骨折部分が修復されても、成長とともに自然矯正(再構築)され、変形などの後遺症を残さないことがほとんどです。とても予後は良好な骨折といえます。

※ 鎖骨の自家矯正(自然矯正)効果
成長期の子どもは、骨折により骨の変形を生じても、元の形状に戻る力を備えています。
骨折した骨は、折れた部分を再構築しようとして仮骨(かこつ)という軟骨により骨折部分を被います。この仮骨はやがて正常な骨に変化(骨化という)していきます。そうして折れた形のまま骨折した部分は癒合(ゆごう:骨がしっかりくっついた状態)して元の強度に硬化するわけですが、骨はその後も周囲から受ける刺激の強弱によって吸収と新生を繰り返しています。骨には筋肉や靱帯が付着し、その張力で刺激を受けています。また周囲組織の重量による負荷や運動による衝撃や張力・圧力も受けています。この刺激のある部位は骨の構築が盛んになり、刺激の無い部位は吸収されてしまいます。骨折部分もこのような刺激の働きにより、再構築が行われて元の形に戻ろうとします。
子どもは非常に旺盛な再生能力を有し、おどろくべき速さでこのような鎖骨の再構築が起こり、何事も無かったように回復してしまいます。


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