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子どもの上腕骨骨折C 子どもの肘周囲の骨折
上腕骨遠位端骨折(じょうわんこつえんいたんこっせつ)その3
上腕骨遠位端の骨端線離開(こったんせんりかい)

 上腕骨の遠位端骨折の内、内側上顆骨折(ないそくじょうかこっせつ)と通顆骨折(つうかこっせつ)は、成長期では骨端線離開という損傷形態になります。
 成長期の上腕骨遠位端は、初めは軟骨で構成されていますが、成長とともに上腕骨小頭、内側上顆、上腕骨滑車の順に骨端核(こったんかく)が出現し、その骨端核を中心に骨を形成していきます。その骨端核と骨本体との間は、成長が完了するまで骨端線と呼ばれる骨端軟骨が介在します。その骨端軟骨部分の強度が周囲よりも弱いため、外力を受けるとその部分が損傷しやすいのです。
 このページでは、成長期の上腕骨遠位端の骨端線離開として、内側上顆骨端線離開(内側上顆骨折)と通顆骨端線離開(通顆骨折)を取り上げて掲載します。

  5歳児の左肘X線画像
   

 上画像の時期では、上腕骨滑車の骨端核はまだ出現していません。
 上腕骨遠位端の骨端核の出現時期は、上腕骨小頭で6ヶ月から1歳頃、内側上顆が4歳〜5歳頃、外側上顆が8歳〜12歳頃、上腕骨滑車が11歳〜12歳頃といわれています。

1. 上腕骨内側上顆骨端線離開(上腕骨内側上顆骨折)
 この骨端線離開は、内側上顆の骨端核と上腕骨本体との間の骨端線部分で起こります。
 原因は、運動中などで肘関節が外反(外側に反る状態)を強制されたときに、内側上顆に付着する内側側副靱帯や前腕屈筋群の牽引により剥離されるように起こります。また、野球肘などのように、投球動作による反復性の外力で起こる場合もあります。 (尚、この項目では急性外傷によるものについて掲載し、スポーツ障害としてのものは別掲しています。)

 
成人の肘の骨格略図 成長期の肘の骨格略図   内側上顆骨折の発生幾転
 

(1) 症状
 上腕骨の内側上顆(肘の内くるぶし)に限局性圧痛と軋轢音(骨が擦れる音)、腫脹、皮下出血がみられます。また、関節包靱帯(かんせつほうじんたい:関節全体を覆う靱帯)の損傷を伴うと、皮下出血がかなり顕著に現れ、肘を他動的に外反すると異常な外反方向への動きが見られます。
 転位のある場合、内側上顆の異常可動性もしくは異常位置に触知し、健側と比較して肘の内側が扁平に見えます。
 遊離した骨片が関節内に嵌入したり、関節内血腫が甚大な場合は、肘の屈伸運動は著しく制限され、激しい疼痛を訴えます。
 整形外科のレントゲン検査により診断は容易です。

(2) 治療と予後
 転位が無いものや転位軽度のものでは徒手整復し、包帯副子固定を3〜4週行います。
 転位が大きなものでは、整形外科の手術的な整復・固定処置となります。
 適切な処置を受傷後速やかに受ければ予後は良好です。一方、顕著な転位があるもので、整復されずにしばらく放置された陳旧性のものでは、手術をしても肘の運動機能に障害が残ります。特に内側側副靱帯の損傷を伴う場合は、肘が不安定となりスポーツや重労働ができなくなります。

   

上腕骨内側上顆骨折の転位1

 

       

2. 上腕骨通顆骨端線離開(上腕骨通顆骨折、上腕骨遠位骨端線離開)
 この骨端線離開は、上腕骨の遠位骨端線で起こるもので外顆から内顆を貫通するため、上腕骨通顆貫通骨折、上腕骨通顆骨折などとも呼ばれています。また、文献によっては上腕骨遠位骨端線離開と紹介されており、表現としてはこの方が適切と思います。
 発症年齢は、まだ骨端核の出現が少ない6歳以前の幼児に多く、転倒したとき肘を曲げた状態で肘の後方を突いて受傷する場合(屈曲型)と、手を突いて肘を過伸展したときに受傷する場合(伸展型)とがあります。これは、上腕骨顆上骨折の発生機転や離断骨片の転位の向きが類似します(図EとF)。

(1) 症状
 上腕骨の外顆と内顆に限局性の圧痛を触知し、腫脹や皮下出血も起こります。転位のある場合は、顆上骨折と類似した変形となり、肘が脱臼したようにも見えます。
 レントゲンでは明確な画像を得られない場合が多いのですが、肘関節屈曲位で肘の後方を突いて受傷した場合、離断骨片の転位のあるものでは、離開を生じた末梢片が前方へ屈曲するように変形・転位します。従って、側面像で見ると上腕骨小頭が上腕骨前縁よりも前方に位置して見えます(図FとI)。一方、肘関節伸展位で手を突いて受傷した場合、離断骨片の転位のあるものでは、離断を生じた末梢骨片が後方へ転位し、中枢骨片が前方へ突出します(図GとJ)。
  レントゲン画像では、転位の無い場合は不明瞭なものも多いのですが、転位があれば診断は容易です。側面画像では、屈曲型で転位を生じた場合、上腕骨小頭骨端核が上腕骨の前縁より前方に偏位しているのが分かります(図I)。また、伸展型で転位を生じた場合、尺骨鉤状突起が上腕骨前縁よりも後方に位置することが目安となり、他にも上腕骨小頭や肘頭の位置が後方へ偏位しているのが確認できます(図J)。尚、やや外側上方より斜走するタイプの場合、レントゲン画像上では外顆骨折と間違われやすい画像となります(図CとDの比較)。ただし、外顆骨折では外顆側のみ限局性圧痛がありますが、通顆骨端線離開では外顆と内顆の両方に限局性圧痛を有します。

  図@上腕骨遠位端の成人とこどもの比較

図A4歳児肘関節側面X線画像

図B上腕骨通顆骨折略図1 図C通顆骨折斜走型略図   図D外顆骨折略図
 

図E5歳児の肘の骨格側面略図

図F上腕骨骨端線離開屈曲型略図   図G上腕骨骨端線離開伸展型略図
 
図H5歳児の肘関節側面X線画像略図 図I上腕骨骨端線離開屈曲型X線画像略図   図J上腕骨骨端線離開伸展型X線画像略図
 

(2) 治療と予後
 離断骨片の転位が無ければ、包帯副子固定を3週程度行います。転位がある場合は徒手的に整復し、包帯副子固定を4週程度行います。尚、初回の整復処置で充分な転位除去ができない場合や整復しても再転位を生じるものでは、整形外科にて入院による持続牽引や手術による整復処置を行うこともあります。
 充分な整復効果が得られ、骨癒合も良好であれば予後は良好です。一方、転位の除去が不十分なまま骨癒合した場合は、肘関節の屈伸障害や内反肘(ないはんちゅう:肘が内側に反る変形)を起こします。内反肘の度合いは成長と共に進行するので肘関節の運動障害や変形がひどい場合は、時期をみて手術的な矯正を行う必要があります。

  図K上腕骨骨端線離開伸展型の転位

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Copyright © 2012 秋元接骨院 秋元 英俊 最終更新日2016年9月21日
 
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