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関節と脱臼の基礎知識
 脱臼は比較的身近に起こる外傷のひとつです。私も治療活動において、子どもの腕(肘)の脱臼や成人の顎関節脱臼あるいは肩関節脱臼などはかなりの頻度で遭遇します。また、脱臼に対する認識も、かなり誤った情報に振り回されているケースがみられます。例えば、脱臼は外れた骨を元に戻せばそれで大丈夫と思っている方もいるようですが、関節を被う関節包(かんせつほう)や関節を支持する靱帯などの損傷を伴う場合(関節包外脱臼)は、それらの組織が回復するまでの安静・固定を施行しないと、関節が緩んだまま治ってしまい、習慣性脱臼の原因となることがあります。脱臼を生じた部位や程度により、対処のしかたは様々ですが、治療を受ける側も、ある程度は脱臼に関する知識をもって取り組むべきと考えます。このページでは、脱臼全般に関する基礎知識を紹介し、各部位別には別のページを設けて、順次掲載いたします。


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 関節の基本構成
 脱臼を理解するために、関節の基本的な構成を解説します。尚、ここでは図説として肘関節を例に取り上げています。
 肘関節は、右図のように3本の骨により、3つの関節で構成されています。その3つの関節は、上腕骨と尺骨の間でなす関節を腕尺関節(わんしゃくかんせつ)、上腕骨と橈骨の間でなす関節を腕橈関節(わんとうかんせつ)、橈骨と尺骨の間でなす関節を上橈尺関節(じょうとうしゃくかんせつ)と、それぞれ名称が付けられています。その内の腕尺関節を用いて、以下にすべての関節に共通する基本構造とその名称を図説しています。例えば右の図において、肘関節を構成する上腕骨滑車は、右下の図では関節頭、また右図の滑車切痕は、右下の図では関節窩となっていますが、この様に解剖学的あるいは医学的に、固有名称とは別に関節全般に共通した基本名称があります。

肘関節の構造正面図肘関節の構造側面図
   
関節包の略図1 関節包の略図2 関節包の略図3
     

1. 関節窩と関節頭
 関節は2本以上の骨から構成されています。そのそれぞれの骨の関節面は、一般的に一方が凸状の形状をしており、もう一方は凹状の形状をしています。この凸側の方を関節頭(かんせつとう)といい、凹側の方を関節窩(かんせつか)といいます。関節している双方の面を関節面といい、その表層は関節軟骨に覆われています。この関節軟骨は円滑性と弾力性を備えており、関節運動に適した構造をしています。

2. 関節包
 関節包(かんせつほう)は、関節全体を覆う線維性の組織です。関節包の外層は線維層と呼ばれ、弾力性を有した線維を少量含む密性結合組織で構成されています。 この組織は線維が密に存在し、比較的強固な構造をしている組織で、関節の連結を補強しています。 一方、関節包の内層は滑膜層と呼ばれ、弾性線維を少量含んだ疎性結合組織で構成されています。密性結合組織と比較して、線維はまばらで隙間があり、神経・血管が豊富に分布し、マクロファージや脂肪細胞なども混在しています。
 滑膜層の表面は滑膜細胞で覆われています。この滑膜細胞からは、ヒアルロン酸などを含む滑液が分泌され、関節の滑りを円滑にする役割があります。また、豊富な血管や神経が分布する滑膜層は、血管や神経を持たない関節内組織の代謝活動を助けます。

3. 靱帯
 靱帯(じんたい)は、関節包の外側に存在する関節外靱帯と、関節腔内に存在する関節内靱帯があります。
 関節外靱帯には、関節包の外層を構成する結合組織が部分的に肥厚して、関節包を補強する関節包靱帯と、独立して2つの骨間を繋ぐ骨間靱帯があります。この骨間靱帯は一般的に骨を覆う骨膜組織から延長して索状に束ねられた結合組織で構成されています。一方の関節内靱帯は、関節包に覆われている関節腔(かんせつくう)の中で、関節を構成する骨端を直接繋ぐ索状の線維組織です。
 靱帯は、関節を固定し、また関節の運動方向を誘導するなどの作用があります。

※ 関節は、骨の連結様式の一つに分類されるもので、解剖学的に滑膜性の連結(あるいは可動結合)とされています。他の骨の連結様式には、靱帯結合、軟骨結合、線維軟骨結合、骨結合があります。関節を除くこれらの骨の連結様式には可動性がありません。また、関節はその可動性の違いにより大きく2つに分けられます。明確な可動性を有する関節を滑走関節 (かっそうかんせつ) といい、可動性を著しく制限され、ほとんど動きの無い関節を半関節といいます。半関節には、仙腸関節、肩鎖関節、手根間関節などがあります。

関節の構造解説1

関節の構造解説2

 

       

 関節の状態や発生原因による脱臼の分類
 関節の状態や脱臼の発生原因により以下の様に分けられます。

1.外傷性脱臼
 転倒による突き上げや急激な牽引、捻転など、外傷に起因する場合を外傷性脱臼といいます。
 外傷性脱臼では外力の作用幾序により、直達性脱臼と介達性脱臼に分けられます。

 直達性脱臼
 関節に打撃などの直接的外力が作用して脱臼を生じた場合をいいます。

 介達性脱臼
 脱臼を生じた原因となる外力が、当該関節以外の部位を介して作用した場合をいいます。例えば、転倒して手を突いた場合に起こる肘関節脱臼などがそれに該当します。外傷性脱臼のほとんどは、この介達外力により起こります。

2.病的脱臼
 脱臼の原因が病的な因子による場合を病的脱臼といいます。例えば、リウマチなどの膠原病により関節が変形して脱臼するものや、骨壊死などによる関節端の破壊など関節組織の構造そのものが破壊されて起こる破壊性脱臼や 、関節を固定する筋肉の麻痺により起こる麻痺性脱臼、あるいは関節の炎症などにより関節内に浸出液が充満し、関節包が膨張して起こる拡張性脱臼などがあります。

3.反復性脱臼と習慣性脱臼
 外傷性脱臼や病的脱臼など何らかの脱臼を生じたことにより、関節を構成する骨の変形、関節包の弛緩、靱帯の変性などが起こり、関節の支持力が低下したために、軽微な外力で繰り返し脱臼を起こすものをいいます。いわゆる脱臼がくせになった状態とも云えます。 尚、この様な軽微な外力で脱臼を繰り返すものを反復性脱臼といい、特定の運動で常に脱臼を起こす場合を習慣性脱臼として区別しています。

4.随意性脱臼
 特定の関節を自分の意思で自由に脱臼させることができる場合を随意性脱臼(ずいいせいだっきゅう)といいます。

  直達性脱臼1

直達性脱臼2

介達性脱臼発生略図

     

 脱臼の状態による分類とその基本的症状
 脱臼の状態により、完全脱臼、亜脱臼、関節包内脱臼、陳旧性脱臼に分けられます。

1.完全脱臼
 関節頭が関節窩から完全に脱出した状態。ほとんどの場合、骨頭が関節包を突き破り、関節包の損傷を伴います。また、靱帯断裂や関節窩などの骨折を伴うケースもあります。

<症状>
 弾発性固定と持続性脱臼痛
 弾発性固定(だんぱつせいこてい)は脱臼特有の症状で、関節頭が関節窩から逸脱しているために正常な関節運動ができないだけではなく、関節頭がその脱臼位置で固定されて、動きを全く封じられた状態です。他動的に無理矢理動かそうとしても、反発して脱臼位置に戻ってしまいます。そのため弾発性抵抗ともいわれます。また、脱臼した関節端が周囲の組織を圧迫しているために、整復されるまでの間は持続的な痛み(持続性脱臼痛)を生じます。

 関節の変形
 脱臼により関節は著しく変形し、脱出した関節頭の異常位置と関節窩の空虚を触知します。四肢の脱臼では、そのほとんどが健側よりも脱臼した患側の方が短縮して見えます。
 皮下出血と腫脹
 外傷性の完全脱臼では、関節包の損傷を伴うため、患部を中心に顕著な皮下出血と腫脹が出現します。

  完全脱臼の略図
     

2.亜脱臼(または不全脱臼)
 関節窩から脱出した関節頭の一部が、関節窩との接触を残している状態。すなわち、関節頭が完全な脱臼をしておらず、いわゆる外れかかった状態のこと。
 成長過程の未完成な関節、あるいは病的異常などにより、関節窩や関節頭に形状異常や形成不全がある場合や、脱臼を繰り返す習慣性脱臼の場合に多く見られます。

<症状>
 弾発性固定と持続性脱臼痛
 亜脱臼の状態でも、外れかかった状態で関節頭がロックされるため、完全脱臼と同様に弾発性固定が見られます。また脱臼した関節端により周囲の組織が圧迫されるため持続性の脱臼痛も生じます。
 関節の変形
 完全脱臼のように明らかな変形が見られない場合も多いのですが、健側と比較すると関節の変形を生じていることが視認できます。また、触診により関節頭の異常位置を触知できます。

 皮下出血と腫脹
 亜脱臼では関節包の損傷を伴わない場合がほとんどのため、皮下出血が観察されることはあまりありません。もし、亜脱臼で皮下出血が明確な場合は、骨折や靱帯損傷などの合併損傷が疑われます。腫脹も出現しない場合が多いのですが、亜脱臼した際に関節軟骨や関節内組織の損傷を伴う場合は、関節の炎症を伴うため、著明な腫脹を起こすこともあります。

※ 亜脱臼の多くは、関節の構造的問題を原因としています。例えば、関節窩の大きさが関節頭と比較して小さく、関節頭をしっかり固定保持しにくいもの、あるいは関節窩や関節頭が変形して関節の密着性と保持力に問題があり、関節頭のずれを生じやすいものなどが挙げられます。その他にも、靱帯断裂を起こし、靱帯による支えを失ったものや、関節の適合性を高めるために機能している関節円板(かんせつえんばん)や関節唇(かんせつしん)などの線維軟骨が破綻しているものがあります。このように適合性や支持力を失った関節は、非常に不安定なために、関節包内で亜脱臼を起こす確立が高くなります。また、亜脱臼に反復性脱臼や習慣性脱臼が多いのも、この様な理由のためといえます。右の図は、関節窩の変形を原因とした亜脱臼の一例を略図で示したものです。このケースでは、本来しっかりと関節頭を支える構造をしているはずの関節窩が変形しているため、関節頭は前方に滑って亜脱臼を起こしてしまいます。

  亜脱臼・不全脱臼の略図

亜脱臼解説1

亜脱臼解説2

     

3.関節包内脱臼
 関節包の損傷を伴わない脱臼で、関節包の中で脱臼を生じた状態。主に亜脱臼が多いのですが、部位によっては関節頭が関節窩から完全に脱出しているにも係わらず、関節包の損傷を伴わないものもあります。
 関節包内脱臼を起こすのは亜脱臼の他、顎関節脱臼、習慣性肩関節脱臼、小児の肘の脱臼(肘内障)で見られます。

<症状>
 弾発性固定と持続性脱臼痛
 全ての脱臼において出現する脱臼の特有症状です。脱臼した関節端は固定され、周囲の組織を圧迫するために疼痛を生じます。これらの症状は、整復と共に消失します。
 関節の変形
 関節端が脱臼位に移動しているため、関節の外観は変形し、関節端を異常位置に触知します。

 皮下出血と腫脹
 関節包の損傷を伴わないため、関節包由来の出血は起こりません。ただし、靱帯や骨の損傷を伴うものでは、皮下出血を伴います。腫脹は、靱帯や骨の損傷、あるいは、関節内組織の損傷や関節の炎症を伴わなければ、ほとんど起こりません。

  関節包内脱臼略図
     

4.陳旧性脱臼(ちんきゅうせいだっきゅう)
 何らかの理由で、脱臼が整復されずに相当期間放置されたものを陳旧性脱臼(あるいは整復不能脱臼)といいます。相当期間とは、一般的に脱臼により損傷した周囲の軟部組織(なんぶそしき)の修復が成される期間をいい、約3週〜4週程度といわれています。
 陳旧性脱臼は、肩鎖関節脱臼(けんさかんせつだっきゅう)や手指あるいは足趾の脱臼で多くみられます。

<症状>
 持続性の脱臼痛は経過と共に消失し、腫脹や皮下出血も消退します。空虚な状態だった関節窩は結合組織によって埋められ、関節包は変性・萎縮を生じます。当初、弾発性固定により動かなかった関節は、徐々に可動性がでてきますが、正常な関節運動は失われたままとなります。外観的にも変形が著しい状態で、整復はすでに不能の状態となっています。さらに経過すると、関節頭と接している他方の骨面に仮性の関節窩が形成され、その周囲には結合組織により関節包様の組織が形成されます。さらに仮性関節窩の周囲を線維軟骨様組織が覆って、関節頭との適合性が高められ、ここに新関節が形成されます。

  新関節形成イメージ1
     

       

 脱臼の合併症と予後
 脱臼の合併症には、靱帯断裂、関節半月や関節唇などの線維軟骨損傷、骨折、腱断裂、神経損傷、血管損傷などがあります。
 神経や血管の損傷は、主に脱臼した関節端による圧迫が原因のため、脱臼が整復されると改善されるものがほとんどです。ただし、血管の圧迫の場合、整復が遅れると阻血性拘縮(そけつせいこうしゅく)という非可逆性の重篤な状態になることがあるので、脱臼部分よりも末梢の脈拍が喪失していたり、皮膚の冷感や蒼白などが見られる場合は緊急処置を要します。一方の神経圧迫では、血管ほど重篤な障害を起こしませんが、整復が遅れると脱臼部分より末梢の神経線維が壊死を起こすため、回復まで長期間を要し、筋肉の萎縮や関節の拘縮 (こうしゅく)などを併発するため、リハビリも困難なものとなります。
 関節半月や関節唇の損傷、あるいは靱帯の損傷を合併すると、関節の適合性や支持力が低下するため、スポーツを続ける場合や労働内容によっては、関節を再建する手術を要する場合もあります。また、後遺症として変形性の関節症を起こしたり、反復性脱臼に至ることもあります。
 骨折の合併では、脱臼の際の衝撃により関節頭が関節窩の一部を削ぎ落とす場合と、関節窩の骨折により関節頭が脱臼してしまう場合などがあります。骨折の合併では、脱臼を先に整復することが原則とされています。尚、骨折を伴う場合は、ほとんどのケースで手術的な整復を要します。
 靱帯断裂を伴うものでは、靱帯の修復が成されない場合、動揺関節などの関節不安定な状態が後遺症として残ってしまいます。この様な場合は、習慣性亜脱臼などの原因となるので、靱帯を再建する手術を要します。
 関節包の損傷を伴う完全脱臼では、関節拘縮(かんせつこうしゅく)を起こすため、可動域改善のリハビリを要しますが、あまり強引なリハビリは骨化性筋炎(こつかせいきんえん)を生ずることがあるので注意が必要です。

※ 骨化性筋炎(こつかせいきんえん)
 骨化性筋炎は、骨に密着する筋肉や靱帯、骨膜などの軟部組織の損傷部位に骨を作る細胞が侵入して骨化が起こる現象です。骨折あるいは脱臼時の筋肉や骨膜、靱帯 、関節包などの損傷により起こる外傷性のものと、過剰な運動療法により、筋肉や靱帯などの組織が、微細な損傷や炎症を生じた部分に起こるものがあります。
 成長期では、骨新生が旺盛なため大人よりも骨化性筋炎を生じやすいといわれます。
 骨化性筋炎を生ずると、硬直したように関節の屈伸ができなくなります。
 通常は、安静にすることで骨化した組織が吸収されていきますが、関節の運動機能が強く阻害されるような場合は、手術による仮骨の除去を行います。

  脱臼骨折解説1

脱臼骨折解説2

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Copyright © 2012 秋元接骨院 秋元 英俊 最終更新日2016年9月21日
 
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