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※当サイト内の挿絵では、組織や部位を識別できるように色分けをしていますが、実物の色とは異なります。 Copyright © 2012 秋元接骨院 秋元 英俊

 

下腿と足関節のスポーツ障害C
下腿コンパートメント症候群

 下腿部を横断(輪切り)すると、4つの仕切りで4つの区画に分かれています。その各区画には筋肉、神経、血管、リンパ管などの組織が内包されていますが、例えば1つの区画内で筋肉の炎症が起こり、その筋肉が腫れて膨張すると、その区画内の内圧が高くなります。下腿部の毛細血管の血管内圧は20〜30mmHgといわれていますが、その圧力を超える区画内圧の上昇が起こるとその区画内では毛細血管が閉塞され、各組織は阻血状態となってしまいます。阻血状態となった各組織は機能不全を起こし、悪化すると壊死に至ります。この様な過程で起こる障害をコンパートメント症候群といいます。
 下腿コンパートメント症候群は、発症経過と症状により急性型と慢性型(労作性とも云う)に分けられます。急性型は、骨折や挫傷などの外傷による多量の出血や腫脹で急速に区画内圧が上昇するものと、慢性型の症状が悪化し、急性の症状に変わるものがあります。一方、慢性型はスポーツ活動で多く観られ、過剰な運動により筋肉や筋膜が炎症し、その結果筋肉の浮腫が起こり区画内圧が上昇するものと、繰り返される運動の結果筋肉が肥大して区画内圧が上昇するものなどがあります。

1. 症状の概要
 慢性型では、障害を受けた区画に関連した運動時の疼痛や筋肉のこわばり感などが最初に出現し、症状が悪化すると日常動作でも痛みを感じるようになります。また、悪化するごとに筋肉の萎縮や運動障害、夜間痛、しびれなども出現します。一方、急性型では急激に激しい疼痛や筋肉の硬直、神経麻痺などの症状が出現します。
 各区画ごとの構造概略と症状は以下の通りです。

右下腿の断面図

2. 各区画ごとの構造概略と特徴的症状

1) 前区画  (anterior compartment)

@ 構造概略
 下腿の前面には脛骨の前縁があります。触ると尖った骨が膝下から足首の上まであるのが分かると思います。その脛骨前縁のすぐ外側には前脛骨筋、その隣りに長趾屈筋が位置し、これら2つに筋肉の奥には長母趾屈筋があります。さらに長母趾屈筋の奥には前脛骨動脈と前脛骨静脈および深腓骨神経があります。

A 前区画の症状
 下腿前面外側の腫脹・圧痛及び運動時痛、深腓骨神経の圧迫による母趾・2趾.3趾の背側及び足の甲の足趾に近い部分のしびれ感、下腿前面外側の筋肉(前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋)と中足の伸筋(短母指伸筋、短趾伸筋)の硬直や萎縮 ・筋力低下、他動的な足趾底屈(足趾を足裏側に曲げること)及び足関節底屈時の疼痛誘発などが見られます。
 前区画で起こるコンパートメント症候群は、歩きすぎやスポーツの疲労などで前脛骨筋が腫れて起こる労作性のものが多く、この場合を前脛骨筋症候群と呼ぶこともあります。

 前区画内の筋肉は、毛細血管の内圧(20〜30mmHg)に対し、前区画内の内圧がそれに近い圧力まで上昇することで血行が滞り、硬直や萎縮、疼痛などの症状を起こします。ただし、前脛骨動脈や前脛骨静脈のような太い血管は、血管内圧が約100mmHgもあるので、区画内圧の上昇による影響はありません。

下腿前部筋群略図

前区画障害の症状出現位置

下腿前区画の断面図

2) 外側区画  (lateral compartment)

@ 構造概略
 外側区画には長腓骨筋と短腓骨筋があります。長腓骨筋は腓骨上端の腓骨頭から起こり、その腱は腓骨外果(足首の外くるぶし)の後方から足底に向かっています。一方、短腓骨筋は腓骨の真ん中よりやや上(遠位2/3と表現する)から起こり、その腱は腓骨外果の後方から第5中足骨粗面に付着しています。
 腓骨頭の後方から総腓骨神経が外側区画内に入り、下降して直ぐに浅腓骨神経と深腓骨神経に分かれます。浅腓骨神経は長腓骨筋と短腓骨筋の間を下降しますが、深腓骨神経は直ぐに前区画の方へ侵入していきます。

A 外側区画の症状
 下腿外側腓骨周囲の腫脹・圧痛及び運動時痛、 下腿外側及び足の5趾を除く足背面(足の甲側)のしびれ感、腓骨周囲の筋肉(長腓骨筋、短腓骨筋)の硬直や萎縮・筋力低下、他動的な足関節内反(足裏を内側に向ける動作)時の疼痛誘発などが見られます。

下腿外側筋群の略図

外側区画障害の症状出現位置

下腿外側区画の断面図

3) 後表在区画
(superficial posterior compartment)

@ 構造概略
 この区画には、下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)と足底筋の腱が存在します。表層の腓腹筋は内側頭と外側頭の2頭に分かれており、内側頭は大腿骨の内顆から、外側頭は大腿骨の外顆からそれぞれ起こり、アキレス腱で合流します。その深層にはヒラメ筋が位置し、腓骨頭の後面から始まり、アキレス腱に合流します。足底筋は、大腿骨の外顆から起こり、下腿上方で直ぐに腱となって腓腹筋とヒラメ筋の間を内側方向に斜め下へ斜向し、アキレス腱の内側縁に合流します。

A 後表在区画の症状
 
ふくらはぎの腫脹・圧痛及び運動時痛、ふくらはぎの筋肉の硬直・萎縮・筋力低下、他動的な足関節背屈(足の先が上に向く方向に足首を曲げる動作)時の疼痛誘発などの症状が見られます。
 尚、主要な神経が通っていないため、しびれはほとんど起こりません。

下腿後表在区画の筋肉

後表在区画障害の症状出現位置

下腿後表在区画の断面図

4) 後深在区画
(deep posterior compartment)

@ 構造概略
 この区画の最も深層には後脛骨筋があり、腓骨、脛骨、骨間膜の上方から起こり、下方で腱となって、脛骨内果(足首の内くるぶし)の後方から足の足底面に向かっています。
 表層には内側に長趾屈筋が外側には長母趾屈筋が位置します。
下腿中央辺りでは、後脛骨筋と長母趾屈筋の間を腓骨動脈と腓骨静脈が通り、長趾屈筋の前面には脛骨神経、後脛骨動脈、後脛骨静脈が通ります。

A 後深在区画の症状
 下腿内側下部及びアキレス腱と脛骨の間の腫脹・圧痛・運動時痛、後脛骨筋や足趾屈筋群などの硬直・萎縮・筋力低下により、下腿内側下部にその症状が著明に観察されます。
 また、他動的な足趾の背屈(足趾を足の甲側に曲げること)及び足関節外反(足裏を外側に向ける動作)時に疼痛が誘発されます。
 脛骨神経の圧迫により、踵の内側や内果(足首内くるぶし)下部のしびれが起こることもあります。

 

 

下腿後深在区画の筋肉

後深在区画障害の症状出現位置

下腿後深在区画の断面図

3.  下腿コンパートメント症候群の治療の概要と予後
 診察や治療は整形外科が専門になります。下腿コンパートメント症候群の疑いが有る場合は必ず整形外科の診察を受けてください。
 慢性型の初期や症状の軽いものでは、運動を中止して安静にすることで軽快します。やや症状の進行したものや長期化したものは、安静に加えてマッサージやストレッチなどの刺激を行います。一方、急性型や慢性型でも疼痛や筋肉の萎縮あるいは神経障害の著しいもの(区画内圧が30mmHgに近い状態)では緊急的に手術を行う必要があります。
 慢性型で運動するときだけ症状が現れる程度の場合は、安静加療と運動計画の見直しなどの予防対策を行うことで予後は良好です。一方、日常動作でも痛みがあり、筋萎縮やしびれなどの麻痺症状を有するものでは回復までの期間が長期化することが多いようです。また、急性型では不可逆的な組織の壊死に至るため 、処置が遅れると筋萎縮や神経麻痺などの後遺症を残し、運動復帰が不能となることもあります。

 

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Copyright © 2012 秋元接骨院 秋元 英俊 最終更新日2016年9月21日
 
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