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このページの目次

膝関節の構造と膝関節捻挫 膝の捻挫 ひざのねんざ
 膝関節は、非常に精密で丈夫な組織により構成されています。また、可動方向にも制限が有り、解剖学的観点からは、基本的に捻挫を生じにくい関節といえます。しかし、現実的にスポーツや労働、あるいは日常動作の中で、膝関節を損傷するケースは多く見られます。
 このページでは、膝関節の基本構造を解説し、また膝関節捻挫による損傷パターンや機能異常などを取り上げ、膝関節捻挫を理解するための情報ページとして活用していただけるように作成しています。


 膝関節の概要
   膝関節を構成する骨
   膝関節を構成する半月板
   膝関節の靱帯
 膝関節のアライメント
 膝関節捻挫
   膝の外反捻挫
   膝の内反捻挫
   膝の過伸展捻挫


 膝関節捻挫の病態別症状と対処法

   内側側副靱帯損傷
   外側側副靱帯損傷
   前十字靱帯損傷
   後十字靱帯損傷
   半月板損傷
   軽度の膝関節捻挫

ユウキコラム浮指


       

 膝関節の概要
 膝関節は、大腿骨、脛骨及び膝蓋骨とその周囲を取り巻く靱帯(じんたい)や軟骨などで構成される関節です。
 膝関節は、屈伸と僅かな回旋により、歩行や運動をスムーズにし、衝撃を緩衝する作用があります。
 骨性支持力に乏しい関節で、その支えを靱帯や筋肉などに依存していますが、関節の自由度(可動域の範囲)が少なく周囲組織が強靭なため、比較的安定した関節といえます。しかし、一度その周囲を支える組織を損傷すると、とても不安定で不自由な状態になってしまいます。

1.膝関節を構成する骨

1) 大腿骨(だいたいこつ)
 大腿骨は、その末梢端で脛骨(けいこつ)の中枢端と関節し、膝関節を構成します。大腿骨の末梢端は、内顆(ないか又は内側顆:ないそくか)および外顆(がいか又は外側顆:がいそくか)と呼ばれる2つの大きな膨隆となり、脛骨の内顆と外顆の上面の窪み(関節窩:かんせつか)にそれぞれ関節しています。
 大腿骨の内顆と外顆の間は溝状の窪みとなっています。その窪みの前面は、膝蓋骨(しつがいこつ)と関節する関節窩(かんせつか)の役割があります。

(2) 脛骨(けいこつ)
 脛骨はその近位端が膨隆し、内顆(ないか)と外顆(がいか)を形成しています。
 脛骨の内顆と外顆は、その上面に浅い窪みを形成し、大腿骨内顆及び外顆の関節面を受ける関節窩(かんせつか)となります。大腿骨の内顆を受けるのが脛骨内顆関節面 で、大腿骨の外顆を受けるのは脛骨外顆関節面です。
 脛骨の内顆及び外顆関節面に挟まれた中央部分には、小さく突出した顆間隆起(かかんりゅうき)があります。顆間隆起の突端は二つの小さな突起を形成し、内側の突起を内側顆間結節(ないそくかかんけっせつ)、外側の突起を外側顆間結節(がいそくかかんけっせつ)といいます。この顆間隆起 の前方の窪みを前顆間区といい、前十字靱帯(ぜんじゅうじじんたい)が付着します。また、後方の窪みを後顆間区といい、後十字靱帯(こうじゅうじじんたい)が付着します。
 脛骨の後面で外顆関節面の下方には、腓骨頭と関節する腓骨関節面があります。この脛骨と腓骨が関節する脛腓関節は、膝関節には含まれません。
 腓骨関節面の下方には、粗面状のヒラメ筋線が内側下方へ走行しています。ここにヒラメ筋の筋頭(きんとう)が付着します。

大腿骨遠位端の骨格

 

脛骨近位端の骨格

  膝関節の骨格1

膝関節の骨格2
       

(3) 膝蓋骨(しつがいこつ)
 膝蓋骨は、膝の前面に位置する種子骨(しゅしこつ)で、一般的には、膝のお皿の骨と表現されている部分をいいます。 この膝蓋骨の前面は、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の腱に覆われるように内包されています。一方、後面は関節軟骨に覆われ、その関節軟骨部分は膝関節包 (ひざかんせつほう)の内部に位置しています。また、膝蓋骨を上面(上下軸方向)から見ると、後方に頂点をもつ三角形状を呈しており、大腿骨関節面のV字状の溝に適応して関節を形成しています (左膝関節軸位像参照)。この溝状の大腿骨膝蓋面を滑走することで、屈伸運動時に膝蓋骨が側方への逸脱をすることを防止しています。
 上記の通り、膝蓋骨は種子骨の一種です。種子骨は、筋肉と骨の連結に介在する腱に付属する骨で、他に手指の関節、足趾の関節に見られます。この種子骨は、関節を通過する腱が屈伸運動などで骨との摩耗を生ずる部分に有り、関節を構成する骨の上を滑走し、腱を摩耗から保護しながらスムーズな関節運動を実現しています。
 膝蓋骨は、大腿四頭筋の腱と連結し、膝蓋腱(しつがいけん)を介して脛骨と連結しています。膝蓋骨の後面は関節軟骨で覆われた関節面が有り、大腿骨の膝蓋面と関節して、大腿膝蓋関節(だいたいしつがいかんせつ)を形成します。 この大腿膝蓋関節の滑走運動により、大腿四頭筋の腱が大腿骨や脛骨との摩耗を防ぎ、円滑な膝の屈伸運動を実現しています。

 

膝関節軸位X線画像の取り方   膝関節軸位X線画像

膝関節伸展・屈曲時の断面図

       

2.膝関節を構成する半月板(はんげつばん)
 膝関節は、正面から見ると大腿骨と脛骨がしっかり噛み合ったように見えますが、側面から見ると大腿骨と脛骨の接触面積が非常に狭く、骨性の連結はとても不安定な状態であることが分かると思います。しかし、レントゲン上では描写されませんが、大腿骨と脛骨の関節面の間には、半月板という線維軟骨 (せんいなんこつ)が介在し、大腿骨と脛骨の適合性を高めて膝関節の安定性の保持や衝撃緩衝作用、関節面の荷重の分散に関与しています。
 膝の半月板は外側と内側に有り、大腿骨の外顆関節面と脛骨の外顆関節面の間に介在するものを外側半月板(がいそくはんげつばん)、大腿骨の内顆関節面と脛骨の内顆関節面の間に介在するものを内側半月板 (ないそくはんげつばん)といい、文字通り半月や三日月のような形状をしています。
 内側半月板はアルファベットのCに近い形状をしており、外側半月板よりもその直径がやや大きく、幅がやや狭い形状をしています。一方の外側半月板は 円形に近い形を成し、内側半月板よりも幅が広い形状をしています。
 半月板を断面でみると、外縁ほど厚みがあり内縁は非常に薄い形状をしています。また、関節包に付着する外縁側(周縁)1/3と前角および後角は血管と神経が侵入し、血行による代謝が得られていますが、遊離している内縁側(遊離縁)2/3は、血管や神経の分布が無く、関節液を介する代謝となっています。 従って、半月板の内縁側の代謝は、膝関節の荷重負荷や関節運動により生じる関節内の圧力の変化を利用した、ポンプ作用的な方法で栄養の吸収や老廃物の排泄を行っています。そのため、寝たきりや極端な運動不足により廃用性の変性や壊死を生じやすい部分です。
 上記の通り、直接血管や神経との連絡を有する半月板の外縁は、その損傷に際し自然修復される可能性がありますが、受動的な代謝に頼っている内縁の損傷では、変性や壊死といった状態になり、自然修復の可能性は 、ほぼ皆無の状態です。
 

  膝関節側面図
膝直角屈曲位解剖図
膝半月板解剖図   膝半月板解剖図2
     

3.膝関節の靱帯
 膝関節にはたくさんの靱帯があり、膝関節の安定性の保持、過剰な可動の防止、運動方向の制御など、様々な役割を持った靱帯が存在します。このページでは、捻挫やスポーツ外傷などで損傷頻度が高い靱帯の解説に留めることとし、その他の靱帯については、必要に応じて別のページで解説します。

(1) 側副靱帯(そくふくじんたい)
 膝の側副靱帯には、膝の外側を支える外側側副靱帯(がいそくそくふくじんたい)と、膝の内側を支える内側側副靱帯(ないそくそくふくじんたい)があります。
 内側側副靱帯は、大腿骨の内側上顆(ないそくじょうか)から脛骨近位端内側へ付着しています。また、内側側副靱帯は大腿骨と脛骨の間の関節間隙(かんせつかんげき:関節の隙間で半月板のある部分)と線維性に密着しています。
 外側側副靱帯は、大腿骨の外側上顆(がいそくじょうか)から腓骨頭に付着しています。この外側側副靱帯は、関節間隙と密着せずに遊離した位置に存在します。
 内側側副靱帯と外側側副靱帯の協同作用により、膝の屈伸運動に際し、緊張と弛緩による伸縮を行い、あらゆる屈曲角度においても膝関節運動の支点と力点がぶれないように効率よく支えています。 また、内側側副靱帯単独では、膝の外反ストレスに抵抗し、一方の外側側副靱帯単独では、膝の内反ストレスに抵抗する役割があります。

(2) 十字靱帯(じゅうじじんたい)
 膝の十字靱帯は関節内に位置し、大腿骨に対して脛骨が前後方向へ逸脱しないように支えている靱帯です。膝の十字靱帯は、前十字靱帯と後十字靱帯の2本からなります。
 前十字靱帯は、大腿骨の顆間(かかん:外顆と内顆の間の窪んだ部分)外側壁後方より脛骨上面中央前方の前顆間区に付着し、大腿骨に対して脛骨が前方へ逸脱するのを防止しています。一方の後十字靱帯は、大腿骨顆間の内側壁やや前方より脛骨 上面中央後方の後顆間区に付着し、大腿骨に対して形骨が後方へ逸脱するのを防止しています。

  膝屈曲位の靭帯略図
膝関節後面靭帯略図
       
 

4.膝関節のアライメント
 起立姿勢で膝関節を中心に観察すると、大腿から下腿にかけて、そのアライメントは一般的に真っ直ぐに並んでいません。正常では、正面から見るとわずかに外反し、側面ではわずかに屈曲しています。これは進化の過程で獲得した姿勢であり、物理的に絶妙なバランスとなっています。しかし、膝関節のアライメントに異常があると、捻挫などの外傷やスポーツ障害、あるいは組織の退行性変化を生じやすい一因となります。

(1) 前後面から見た膝関節のアライメント
 膝関節は、大腿骨と脛骨で構成されていますが、その大腿骨の長軸と脛骨の長軸は、通常外側に170゚〜175゚ぐらいの弯曲があります。これよりも角度が小さく 、膝の外側の曲がりが強い場合を外反膝といい、両脚とも外反膝の場合をX脚といいます。また逆に180゚以上の大きな角度の場合は 内反膝といい、両脚とも内反膝の場合をO脚といいます。

(2) 側面から見た膝関節のアライメント
 平らな床などで仰向けに横たわり脚部を真っ直ぐに寝かせた状態のとき、膝関節を側面からみると、通常は膝の裏が床に着かずに少し隙間が開きます。しかし、膝が後ろに 向かって反っているタイプの場合は、床に楽に着けることができ、場合によっては床に膝裏を強く押し付けるともっと膝が反って足のかかとが浮き上がるぐらい曲がる人もいます。このような状態を膝反張(しつはんちょう)といい、女性や子供に多く見られます。
 膝反張の場合、膝裏や膝の外側に過剰な負担がかかりやすく、長時間立ち通しや長時間歩行あるいは、スポーツの後に炎症が起こるケースが多く見られます。
 幼小児期に膝反張の状態でも、男性の場合は成長して骨格が完成に近づくと、自然と正常になる場合が多いのですが、女性の場合は関節の構造上、成長しても膝反張 の状態がそのまま残存することが多く、いわゆるXO脚(内股のO脚)になってしまう ことがあります。このような場合では、ヒールの高い靴を履いたり、あるいは運動などで、膝裏やふくらはぎあるいはアキレス腱などの痛みを起こすこともあります。また、膝反張があると体のバランスを取るために自然と反り腰になりやすく慢性的な腰痛の原因となることもあります。

  膝外側角の計測方法
グングン歩こうテーピングインひざサポーター
       

 

 膝関節捻挫
 膝関節捻挫は、外力により膝関節の可動域を超える過剰な伸展を強制された場合や、強い回旋力あるいは膝関節を外反または内反する力が作用した場合に生じます。

1.膝の外反捻挫
 膝の外反捻挫は、何らかの外力により膝が内側に曲げられ、膝の外側が強く反った状態で起こる捻挫です。また、このときに下腿が大腿に対して過度の外旋(がいせん:正面から見て外側に捻れること)を生じます。
 膝の過剰な外反により、内側側副靱帯が過伸展され、外側半月は異常な捻転と圧迫を受けます。 また、下腿の外反と外旋により、前十字靱帯の損傷を生ずることもあります。

2.膝の内反捻挫
 膝の内反捻挫は、何らかの外力により膝が外側に曲げられ、膝の内側が強く反った状態で起こる捻挫です。 また、このときに下腿が大腿に対して過度の内旋(ないせん:正面から見て内側に捻れること)を生じます。
 膝の過剰な内反により、内側半月は異常な捻転と圧迫を受けます。また、膝の内反に過伸展が加わると外側側副靱帯や膝窩筋腱、弓状靱帯(弓状膝窩靱帯)などを痛めることがあります。

 

※ 膝関節外反捻挫の誘因
 外反捻挫を起こしやすい膝の形態として、外反膝やX脚があります。
 これら形態異常を有する場合、通常よりもわずかな外力で、膝関節の外反捻挫を起こす確率が高く、また再発も起こしやすくなります。 また、外反膝やX脚が無くても、内股歩きの癖がある場合は同様の条件となります。
 慢性的な痛みの残存や繰り返し外反捻挫を起こす場合では、外反膝を矯正、あるいは補正する施術(主に体操や装具)を必要とします。 また、内股歩きの癖による場合は、歩行矯正の訓練をする必要があります。

※ 膝関節内反捻挫の誘因
 内反捻挫を起こしやすい膝の形態として、内反膝やO脚があります。
 これら形態異常を有する場合、通常よりもわずかな外力で、膝関節の内反捻挫を起こす確率が高く、また再発も起こしやすくなります。
 慢性的な痛みの残存や繰り返し内反捻挫を起こす場合では、内反膝を矯正、あるいは補正する施術(主に体操や装具)を必要とします。
 またそのほかの誘因として以下の場合、膝の内反捻挫が起こりやすくなります。
 股関節の内反股変形を有する場合。
 O脚ではないが、がに股歩きの癖がある場合。
 ブーツやプロテクターなどで、足関節がしっかり固定されている場合。
 大腿部外旋位もしくは、下腿内旋位で、膝の内側から強い衝撃を受けたり、また同様の肢位で、スポーツなどの接触プレーにより、膝の内側から相手に乗られてしまった場合。

膝関節内反作用解説 膝関節外反作用解説  
       

3.膝の過伸展捻挫
 足を前方に滑らせて膝を伸ばしたまま転倒したり、膝の前方よりの衝撃や接触で、膝が過伸展されることにより起こります。
 靱帯や腱の損傷では、外側側副靱帯、膝窩筋腱、前十字靱帯、後十字靱帯、弓状靱帯(弓状膝窩靱帯:膝関節の後面外側を支える靱帯)などの単独、あるいは複合した損傷が見られます。 特に後十字靱帯は、前十字靱帯の2倍近くの太さがあり、力学的に強力な靱帯であるため、スポーツや事故などによる強い外力で脛骨中枢端を後方へ押し込む作用を受けたときに起こります。また、若年者では、捻挫の際の十字靱帯の牽引力により脛骨顆間隆起(けいこつかかんりゅうき)の裂離骨折(れつりこっせつ)を起こすこともあるので強い痛みを訴える場合は、注意が必要です。
 膝半月板の損傷では、内側半月板・外側半月板の単独、あるいは両者の合併損傷を生じることがあります。

 


※ 過伸展捻挫の誘因
 膝反張(膝関節が後方凸の方向に反ってしまう状態)や内股歩きなどの形態的異常を有する場合は、膝関節の僅かな過伸展でも痛める場合があります。この様なケースでは、反復性または習慣性の過伸展捻挫を生じやすいため、膝反張などの形態異常を補正する必要があります。

       

4.膝関節捻挫の病態別症状と対処法
 膝関節捻挫を症状や状態によりある程度鑑別して治療方針の選択をする必要があります。以下に病態別に出現する症状とその対処法を紹介しますので参考にしてください。

(1) 内側側副靱帯損傷

 症状
 膝の内側に腫脹、皮下出血などが見られ、内側側副靱帯に限局した圧痛を触知します。また、膝の屈伸運動で疼痛が誘発され、その際に徒手的に外反を強制すると明瞭な疼痛を訴えます。
 腫脹の範囲が膝の内側に限局されず関節全体に及び、膝の屈伸も著明に制限される場合は、前十字靱帯や半月板の損傷が合併している疑いがあります。

 対処法
 症状が軽度であれば、包帯と冷湿布で約2週間〜3週間固定してください。尚、固定除去後しばらくは膝関節の可動域に制限が残存しますが、座位や臥位で自力による膝の曲げ伸ばし運動をすることで徐々に回復します。
 症状が著明で膝の正常な機能に制限がある場合は、速やかに専門医の診察を受けてください。

(2) 外側側副靱帯損傷

 症状
 単独損傷は稀です。ただし、内反膝(またはO脚)や膝反張などのアライメント異常を有する場合では、外側側副靱帯の単独損傷を生ずる確立が高くなります。
 固有症状として、膝の外側に腫脹、皮下出血などが見られ、外側側副靱帯に限局した圧痛を触知します。また、膝の屈伸運動で疼痛を誘発することが有り、徒手的に膝の内反を強制しながら膝の屈伸を行うと疼痛が顕著に出現することがあります。
 上記の通り単独損傷は稀で、膝の後面外側の痛みを伴い、歩行時の内反不安定性(膝の外側に荷重が加わるときに、関節の不安定性を訴える)を訴える場合は、膝の後外側支持機構(弓状膝窩靱帯など)の損傷を伴う疑いがあります。また、膝関節全体の腫脹や著しい屈伸障害が見られる場合は、十字靱帯損傷や半月板損傷の合併が考えられます。

 対処法
 症状が軽度であれば、包帯と冷湿布で約2週間〜3週間固定してください。若干の内反不安定性が見られる場合は、副子などを用いた固定を3週〜4週行います。尚、固定除去後しばらくは膝関節の可動域に制限が残存しますが、座位や臥位で自力による膝の曲げ伸ばし運動をすることで徐々に回復します。
 症状が著明で明らかな内反不安定性が見られる場合は、速やかに専門医の診察を受けてください。

(3) 前十字靱帯損傷

 症状
 受傷初期は膝関節に強い疼痛と関節全体に広がる腫脹が見られ、関節可動域の制限が見られます。数週間経過し疼痛や腫脹が消退すると、歩行中や運動中などに膝崩れ現象が見られ、特に脛骨の前方移動による不安定性を生じます。さらに放置されると、脛骨の異常な運動で半月板を損傷し、膝の関節痛や嵌頓症状、関節水症(いわゆる膝に水が溜まる状態)などを生じることがあります。

 対処法
 前十字靱帯損傷が疑われる場合は、直ちに専門医の診察を受けてください。
 一般的に整形外科では、消炎鎮痛剤の投与と膝関節の固定で経過を観察します。経過観察後、著しい運動障害が見られる場合やスポーツ復帰を求める場合では、手術による靱帯再建術を施行することになります。前十字靱帯は自然修復しがたい組織であるため、靱帯再建術を選択するケースが多い損傷です。

(4) 後十字靱帯損傷

 症状
 受傷初期は膝関節の著明な腫脹と疼痛が起こり、関節血症(関節内の出血)を伴います。強い疼痛のため関節運動が制限され、歩行も困難な状態となります。この様な急性症状は、通常2週〜3週で消退し、可動域の制限も回復します。
 急性症状回復後は、膝関節の後方不安定性を訴えるケースもありますが、後十字靱帯が完全に断裂していても自覚症状が全く無くなるケースも非常に多く見られます。ただ、徒手的に脛骨中枢端を後方へ押し込むと、明確な脛骨の後方偏位(脛骨が後方にずれること)を触知します。尚、前十字靱帯損傷を合併する症例では、非常に著明な関節不安定性を生じます。また、半月板損傷を伴うケースでは、関節の可動域制限、もしくは関節のロッキング(異物が挟まって動かなくなる状態)を生じます。

 対処法
 後十字靱帯損傷が疑われる場合は、直ちに専門医の診察を受けてください。
 後十字靱帯の単独損傷では、手術を行わず保存療法で経過を観察する場合が多いようです。急性期では、消炎処置と固定を施行します。また関節内血症のある場合は血液の吸引が施行されます。
 急性症状が消退(通常は2週〜3週)後は、関節可動域訓練と大腿四頭筋訓練が行われ、松葉杖などによる荷重歩行も許可されます。
 スポーツや労働に復帰するに際し、関節の不安定性による支障がある場合は、手術による靱帯再建術の施行が検討されます。

(5) 半月板損傷

 症状
 捻挫による半月板損傷では、膝関節の腫脹と疼痛、関節の可動域制限、屈伸時の異常音、関節嵌頓症状(ロッキング)などが見られます。
 内側半月板損傷では、膝関節の内側関節間隙に圧痛を触知し、外側半月板損傷では外側関節間隙に圧痛を触知します。

 対処法
 半月板損傷が疑われる場合は、直ちに専門医の診察を受けてください。
 整形外科では、レントゲン検査やMRIなどで診断が行われます。
 症状が軽度で日常動作などにおいて支障が無ければ保存的に経過を観察します。また、半月板の損傷が明らかで著明な症状があっても、消炎処置や固定などで様子をみる場合が多いようです。
 経過観察で自然修復が期待できない場合や、スポーツや労働への早期復帰を希望する場合は、手術的処置が行われます。また、数ヶ月の経過観察後に日常生活に支障を来す症状が残存するようであれば手術的処置を奨励されます。

(6) 軽度の膝関節捻挫
 以上のような靱帯損傷や半月板損傷などが否定される場合、もしくは疑いがあっても極めて軽症であると判断される場合は、軽度の捻挫として処置されます。
 軽度の捻挫の症状は、発症初期の荷重歩行痛や屈伸時の疼痛、あるいは軽度の関節腫脹などが見られる場合もありますが、何れもその程度が比較的軽い状態です。
 対処法としては、痛みが取れるまでの数日の安静が基本となります。また、湿布や軟膏タイプの消炎剤の塗布、伸縮性包帯などによる4〜5日程度の軽い固定などで充分です。

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Copyright © 2012 秋元接骨院 秋元 英俊 最終更新日2016年9月21日
 
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