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子どもの前腕骨骨折〜前腕骨幹部若木屈曲骨折child medicine page No.8

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前腕骨の概要

前腕骨(ぜんわんこつ)は、橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)の2本の骨が並列して構成されています。
この2本の骨は肘関節に近い近位端(きんいたん:上端ともいう)と手関節に近い遠位端(えんいたん:下端ともいう)の2箇所で関節しています。
これらの関節は、近位端側の関節を上橈尺関節(じょうとうしゃくかんせつ)、遠位端側の関節を下橈尺関節(かとうしゃくかんせつ)といい、前腕の回内(かいない)、回外(かいがい)運動のために必要な関節です。
橈骨と尺骨は肘側から手に向って、橈骨輪状靱帯(とうこつりんじょうじんたい)、斜索(しゃさく)、骨間膜(こっかんまく)、下橈尺関節前部靱帯、下橈尺関節後部靱帯でしっかりつながれています。また、これらの靱帯や線維は回内、回外運動をスムーズに行うための支えとなります。

前腕骨の位置を示す用語
橈骨・尺骨間の連結を示す略図

回内・回外運動とは、手のひらを返す動作を行う運動のことで、下の画像のように、手のひらを上に向ける方向へ回旋することを回外(図1)といい、逆に手のひらを下へ向ける方向へ回旋することを回内(図2)といいます。

前腕回外位画像
前腕回内位画像

回内・回外運動の際に橈骨と尺骨は、最大回外位で平行に並び(図3)、最大回内位に向かうに連れて交差(図4)します。

前腕回外位の骨格図
前腕回内位の骨格図

前腕骨幹部若木屈曲骨折

前腕骨骨折の概要

前腕骨骨折は、橈骨単独骨折、尺骨単独骨折、あるいはその両方が骨折する前腕両骨骨折に大別されます。また、骨折位置により、近位端部骨折、骨幹部骨折、遠位端部骨折に分けられます 。幼小児で多いのは骨幹部骨折と遠位端部骨折です。
成長期の骨折形態としては、軽度から中程度では骨の連続性が維持された若木骨折になることが多いのですが、重度の骨折の場合や、年齢が高くなり成人に近づくほど、完全に骨が離断する完全骨折の形態になります。
また、橈骨や尺骨の単独骨折で屈曲転位が顕著な場合は、ガレアッジ骨折やモンテギア骨折といった特有の脱臼骨折を起こすケースもあります。

前腕両骨骨幹部骨折の病態と症状

前腕両骨骨幹部骨折(ぜんわんりょうこつこっかんぶこっせつ)とは、前腕の橈骨と尺骨の両方で骨幹部の骨折を生じたもので、多くは骨幹部の真ん中辺りから遠位端部に近い側の範囲で起こります。また幼小児では、完全に骨が離断するような骨折は少なく、若木屈曲骨折(わかぎくっきょくこっせつ)を起こします。
若木屈曲骨折とは、水分量が豊富な弾力性と柔軟性のある若木を曲げると老木のようにポッキリとは折れずグニャリと曲がり、その線維が部分的に裂けてはいるものの完全に離断しない状態になりますが、まさにそのように骨折を生じた状態を若木屈曲骨折といいます。この骨折は変形状態により、前方へ屈曲部が突出する後方屈曲型と後方へ屈曲部が突出する前方屈曲型に分けられます。
後方屈曲型の多くは尻もちを突くように後ろへ転倒し、その際に身体を庇って後方へ手を突いた時に起こる骨折です。この後方屈曲型では前腕回外位で手を突く状態になり、転倒した勢いで手を突いた前腕にさらに回外が強制され、同時に前腕骨に屈曲力が作用して発生します。
一方の前方屈曲型では身体が前方に向かって転倒したとき、身体を庇って前方へ手を突いた時に起こる骨折です。
この前方屈曲型では前腕回内位で手を突く状態になり、前腕回内位で手を突いて転倒したとき、さらに回内が強制されて同時に前腕骨へ屈曲力が作用して発生します。
前腕骨骨幹部若木屈曲骨折では、後方屈曲型・前方屈曲型のどちらのタイプでも、尺骨よりも橈骨の屈曲変形が強く現れます。

前腕骨骨幹部若木屈曲骨折後方屈曲型
前腕骨骨幹部若木屈曲骨折前方屈曲型

症状は、橈骨と尺骨の両方に骨折部の限局性圧痛や骨折部を中心とした腫脹と皮下出血がみられ、転位のある場合は明確な屈曲転位を観察します。尚、完全骨折では成人と同様に短縮転位 (骨折により末梢の骨折片が中枢の骨折片に乗り上げて重なるために骨の全長が見かけ上短縮した状態)や側方転位、橈骨の回旋転位などを生じます。

治療と予後

屈曲変形があれば整復・矯正して転位を除去します。固定は、前腕の前方に屈曲部が突出する後方屈曲型の骨折では、肘を直角に屈曲し、最大回内位で固定します。また、前腕の後方に屈曲部が突出する前方屈曲型の骨折では、肘を直角に屈曲し、最大回外位で固定します。これは、屈曲変形の再発を極力抑えるための固定肢位(整復位置を保持するための前腕の姿勢)となります。
若木屈曲骨折では、固定期間中に屈曲変形が再発することがあります。従って、固定初期は最低でも1週間に1回は再変形が起こっていないかチェックする必要があります。もしも顕著な再変形が起きていたら再び整復矯正を行います。尚、10゚以内の屈曲変形は、骨癒合後の自然矯正力による回復が見込める許容範囲とされています。
固定期間は、レントゲン検査で骨癒合の完成を確認するまでとなり、早くても6週間、通常は8週ぐらいを要します。
予後は、上述のように10゚以内の屈曲変形程度ならば良好です。しかし、それを超える屈曲変形を残した場合、手術的に矯正しなければ外見的な問題だけではなく、日常動作に支障を生じる運動障害が残ることになります。

※ 若木屈曲骨折の荒療治?
若木屈曲骨折は不全骨折であり、骨は完全な離断をせずに部分的に連続性が保たれています。しかし、その連続性が保たれている部分の骨皮質(骨の表層部分)や骨を覆う骨膜の張力により、逆に離断している部分が離開する方向に引っ張られるため、結果的に再度屈曲転位を起こしやすい状態にあります。このような不均衡な作用による再屈曲を防止するために、敢えて完全に離断させる手段を選択する場合があります。
通常、屈曲部分を矯正するとき、突出している側から圧迫して整復しますが、さらに圧迫を加えて逆方向に過矯正して完全に離断させます。まるで荒療治ですが、これで骨折部分にかかる張力は均等となりますので再転位(再変形)を防止できます。乱暴なようですが、変形を残して後日に矯正手術を受けなければならない状態になるよりは、骨癒合が起こる前にこの処置を行った方が結果的に最良の処置となります。尚、この方法は、あくまでも骨折部の変形治癒防止を要する場合のみに行われるもので、固定方法が難しくなるなどのリスクもあるため、許容範囲内の変形が残る程度と予測される場合は施行されません。

若木屈曲骨折の再転位とその対策解説1
若木屈曲骨折の再転位とその対策解説2

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