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大腿骨骨幹部疲労骨折sports medicine page No.5

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大腿骨骨幹部疲労骨折の概要

スポーツ障害として起こる大腿骨骨幹部疲労骨折は、陸上競技、サッカー、野球などで見られます。 大腿骨骨幹部を近位(骨盤に近い上方部分)、中間、遠位(膝に近い下方部分)の3つに区切ると中間と遠位に発生頻度が高い傾向があります。また、ほとんどの症例が内側に起こっていることも特徴です。
疲労骨折は、反復する物理的負担によって、骨の構造的な弱点といえる部位に起こります。大腿骨の形状は、骨幹部に対して骨頭が股関節に向かって曲がっているため、骨幹部の真ん中あたりから近位端にかけて内反(内側に反った状態)し、逆に遠位では膝関節に向かって外反(外側に反った状態)しています。また、遠位端近くでは後方へ反った形状をしているため、後面に圧迫型の骨折を生ずることがあります。
発症のメカニズムは、体重の荷重による上方からの圧力と地面を蹴るときに生ずる下方よりの突き上げで、大腿骨の長軸が上下から押し付けられるような状況になり、骨のカーブしている部分が、より強い負荷を生じるといった物理的な要因にあります。さらに、大腿部の内転筋や後方筋群のハムストリング、下腿後面の腓腹筋などの牽引力が同時に作用することで、より一層負荷が大きくなります。このような物理的負担が繰り返されることで徐々に大腿骨が破綻していきます。
大腿骨の骨折位置を表す名称
大腿骨骨幹部疲労骨折の発生力学1

大腿骨骨幹部疲労骨折の発生力学2
大腿骨骨幹部疲労骨折の発生力学3

大腿骨骨幹部疲労骨折の発生力学4
大腿骨骨幹部疲労骨折の好発部位

大腿内転筋の略図
腓腹筋の略図

症状と診断

発症初期は大腿部に運動時の疼痛、あるいは運動直後の疼痛、もしくは違和感やこわばりなどを訴える程度で、安静時に症状は消失します。また、痛みや違和感を鼠径部や膝、下腿に出現することもあります。しかし、圧痛点を触診すると大腿骨の骨折部に一致した限局性圧痛が得られます。
股関節や膝関節の可動性に制限が見られることは少ないですが、股関節の他動的な内旋、外旋強制や、内転、外転強制で疼痛を誘発、あるいは階段や坂道の下りで疼痛が誘発されます。
また、患肢でジャンプすると疼痛を誘発するhop testで陽性に反応を示す場合は、診断確定の有力な手掛かりとなります。
その他では、Hanging leg signやFlucrum testなどで陽性反応があれば本症を疑います。
症状が進行すると疼痛による跛行、立ち座り動作時の疼痛なども訴えるようになります。また、そのような症状が出る時期になると大腿四頭筋や腓腹筋などの萎縮が観察されます。
レントゲン画像では、発症初期の段階では不明瞭で判断が難しいことが多いのですが、疲労骨折があれば数週間後の経過観察で仮骨形成や骨膜反応像、あるいは骨硬化像などが見られるようになります。
鑑別を要する疾患には骨化性筋炎、類骨骨腫、悪性腫瘍、骨髄炎などが上げられます。骨化性筋炎では、膝関節の屈曲制限やレントゲン画像による筋肉内の骨性組織形成などにより鑑別可能です。その他の疾患では血液検査が必須となります。尚、レントゲン検査で判断が難しい場合は、骨シンチグラフィーによる検査を施行する場合があります。骨シンチグラフィーでは、疲労骨折がある場合、明瞭な骨集積像が得られます。

※ Hanging leg sign
ベッドの上で仰臥位(仰向け)もしくはベンチなどで座位となり、患肢の大腿部中央から下位をベッドもしくはベンチから出し、下腿を下垂した状態で股関節を内旋させる。疼痛が誘発されれば大腿骨疲労骨折陽性の疑いとなる。

※ Flucrum test
ベッド、もしくはベンチなどで座位となり、患肢の大腿部の中央ぐらいで、大腿部の下に毛布、座布団などを固めに丸めたもの、あるいは術者の腕を差し入れ、下腿をベッドやベンチの外に下垂させた場合に疼痛を誘発すれば大腿骨疲労骨折陽性の疑いとなる。反応が不明瞭な場合は、下垂した下腿を下方に引っ張り重力を加えることで疼痛反応が明確になる場合もある。

※ 骨膜反応像 periosteal reaction image
骨膜は骨の外周を覆う線維性の膜組織ですが、レントゲン画像では通常描出されない組織です。しかし、外傷や炎症などで骨膜に骨新生が起こるとレントゲンに描出されるようになります。骨膜反応を生じた場合、骨表面に付加されたような物質が白く(明るく)描出されます。

※ 骨硬化像 sclerosing lesion of the bone image
骨折部分をX線で撮影すると、2週間経過後ぐらいから両骨折端の間に仮骨形成が進むため薄く白い物が写ります。この仮骨が次第に骨に変わって行くたびに白さが増して明るく濃くなっていきます。また骨折部分が近傍の非骨折部分よりも太く膨れ上がっているように見えます。この様な骨折の癒合過程において、X線画像で観察される造骨過程の状態を骨硬化といいます。
骨硬化像が見られるのは、骨折による癒合過程でのみならず、骨髄炎や骨膜炎などの炎症、骨形成性腫瘍や癌の骨転位などでも特徴的な骨硬化像が見られます。
一方で、骨壊死、骨萎縮、骨粗鬆症など、骨が脆くあるいは骨の成分が少なくなっていき、X線画像で暗く薄くなっていく状態を骨吸収像といいます。遷延治癒(骨折部の癒合遅延)では骨折端に骨吸収像が見られます。

治療と予後

 1型(レントゲンで骨折線が認められない程度)
レントゲンの映像で明らかな骨折像が無いものでは、ジョギングやジャンプなどの動作を禁止し、約3ヶ月程度患部の安静を保持します。ただし、経過や痛みの具合によっては、水泳や自転車による脚部のトレーニングが可能な場合もあります。その後具合を見ながら軽いジョギングからスタートし、徐々に負荷を掛けながら元の競技レベルに戻していきます。

 2型(レントゲンで明確な骨折線を認める程度)
骨折像が明らかなものは、骨の癒合が進むまで松葉杖などで患部に荷重が掛からないようにします。骨折の程度によりますが、松葉杖を除去し全荷重が可能になるまで4〜8週、軽い運動の許可には全荷重開始から2週〜4週程度を要するようです。骨の癒合が進みhop testなどで疼痛の誘発程度が低くなってきたら1型と同じ手順で運動能力の回復訓練を許可します。一般的に予後は良好で運動復帰も可能です。

 3型(レントゲンで完全骨折や転位のある骨折を認めたもの)
骨の完全離断や転位のある骨折の場合は入院治療となります。特に転位のある骨折や転位の恐れのある骨折では、手術的に内固定を施行することになります。
手術による内固定を施行した場合、部分荷重が許可されるまで3週程度を要し、全荷重には6〜8週を要するようです。但し、元の競技レベルに戻すことは非常に難しく、ほとんどの場合競技から引退することになるようです。尚、日常生活レベルの回復には問題ないことがほとんどで、一般的には予後良好といえます。


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