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前腕の橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)の2本の骨のうち、尺骨の骨幹部(こっかんぶ)が単独で骨折することがあります。
尺骨の単独骨折は、尺骨に打撃や転倒による打撲を生じたときに起こる直達性外力によるものが最も多く見られます。一方で、手を突いた衝撃が尺骨に伝わって発生する介達性の場合は、転倒して前腕回外位で手を突いたときに、上半身が捻れてさらに回外を強制されると、前方へ骨折端が突出する後方屈曲型の骨折を生じます。逆に転倒して回内位で手を突いたときに、上半身が捻れてさらに回内を強制されると、後方へ骨折端が突出する前方屈曲型の骨折を生じます。
尺骨単独骨折では、骨間膜(こっかんまく)を介して橈骨と連結しているため転位(骨のずれ)が起こりにくい構造になっています。 また幼小児の骨は、有機質が豊富で弾力性があるため完全に離断する骨折は少なく、みずみずしい若木が折れ曲がるような若木屈曲骨折(わかぎくっきょくこっせつ)という状態になる場合が多くなります。
尺骨単独骨折で、完全離断した骨折を起こした場合でも屈曲転位は起こりますが、橈骨骨幹部骨折や両前腕骨骨幹部骨折で見られる回旋転位はほとんど起こりません。
骨片転位がある場合は、徒手整復により矯正します。基本的に前方凸の後方屈曲変形を生じた若木骨折では、前腕を回内位で圧迫矯正を行い、そのまま回内位で固定します。一方、後方凸の前方屈曲変形を生じた若木骨折では、前腕を回外位で圧迫矯正を行い、そのまま回外位で固定します。固定期間は約4週ぐらいです。
予後は良好で、屈曲変形が残存しても10゚以内の変形ならば許容範囲で、経過とともに自然矯正されます。
尺骨骨幹部骨折と橈骨頭の脱臼を合併した状態をモンテギア(Monteggia)脱臼骨折といいます。
モンテギア脱臼骨折は、骨折した尺骨骨幹部が橈骨と衝突して橈骨頭の脱臼が起こるため、その発生幾転と橈骨頭の脱臼骨の方向により以下の3つのタイプに分けられます。
前方型(伸展型):
転倒して回外位で手を突いたときに、上半身が捻れてさらに回外を強制されると、前方へ骨折端が突出する後方屈曲型の屈曲骨折を生じ、尺骨の屈曲骨折部が前方へ突出すると共に橈骨頭は前方へ脱臼する。
後方型(屈曲型):
転倒して回内位で手を突いたときに、上半身が捻れてさらに回内を強制されると、後方へ骨折端が突出する前方屈曲型の屈曲骨折を生じ、尺骨の屈曲骨折部が後方へ突出すると共に橈骨頭は後方へ脱臼する。
外側型:前腕尺側部への打撲など、尺骨への直達外力により尺骨に骨折を生じた際、その尺側(内側)からの強力な外力により骨折片が橈側(外側)へ突出した屈曲骨折となり、それと共に橈骨頭は外側へ脱臼する。
治療は、骨折の整復を最初に行います。整復は、小児の場合原則として保存的(手術をしない方法)に徒手整復を行います。徒手整復では、尺骨の若木屈曲骨折を整復してから橈骨頭の脱臼を整復します。尚、小児でも転位が著しく、保存的に整復位保持が困難な場合などでは、整形外科で手術的に行われます。手術による整復の手順としては、尺骨骨折の屈曲転位を整復し、金属プレートやピンなどで固定します。次いで橈骨頭の脱臼を整復します。尺骨が整復されないと骨折部が邪魔をして橈骨の脱臼を整復することはできません。従って、前述のように先に尺骨の骨折片転位を整復・固定し、続いて橈骨頭の脱臼の整復を行います。尚、橈骨輪状靱帯や方形靱帯の断裂を伴う場合は、整復した橈骨頭が不安定で再脱臼を生じやすいことがあります。この場合、橈骨の成長状態にもよりますが、専用のワイヤーで橈骨頭を固定し、約3週後にそのワイヤーを除去する施術を行うことがあります。
予後は、転位の少ないものや靱帯断裂を伴わないことが多い後方型は比較的良好ですが、転位の大きなものや靱帯断裂を伴うものでは、橈骨頭の整復保持が困難で可動域の制限など機能的な障害を残すものがあります。この場合、成長を待ってから橈骨頭の矯正手術を行う事があります。
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