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橈骨頚部とは、上腕骨と関節する橈骨頭の直ぐ末梢側のくびれた部分で、成長期は骨端線が存在します。この骨端線部分で骨折を生ずるのが橈骨頚部骨端線離開です。幼小児の橈骨近位端骨折の発生は比較的少ない中で、この橈骨頸部骨端線離開は成長期の肘の骨折の中で常に注意したい傷病といえます。また、以下のレントゲン画像の幼児と成人の比較で分かるように、骨端線離開などの成長軟骨部分の骨折では、レントゲンによる判断が難しいため、見逃さないように注意すべき部位でもあります。
転倒の際に肘を伸ばし前腕回内位で手のひらを突いたときに、肘の外側が瞬間的に反って、橈骨頭が橈骨小頭と衝突し、橈骨頚部の骨端線で屈曲力が働いて骨折を起こします。
肘関節の外側を中心に腫れや皮下出血が起こり、橈骨近位端辺りに限局性の圧痛を触知します。
橈骨頚部骨端線離開では、近位端の骨折片が転位(位置がずれたこと)することも多く、転位の方向は橈骨頭が外前方に傾斜します。
骨片転位を生じた場合は、前外方に突出した橈骨頭を触知し、異常可動性や軋轢音が確認されます。また転位があれば肘の運動は不能となり、特に曲げることができなくなります。一方、転位がなくても肘を曲げたり、前腕の回旋運動をすると痛みを誘発します。
転位の無い場合は、レントゲンでも診断が難しく、肘の捻挫や肘内障(小児特有の橈骨頭亜脱臼)と間違われる場合もあります。
橈骨頚部骨端線離開では、近位骨片の橈骨頭が外前方へ傾斜転位します。その橈骨頭の外方傾斜角度の程度によって、1群〜4群に分けられます。
1群:30度以下
2群:30〜60度
3群:60度以上
4群:橈骨頭が完全に滑脱したもの
次の画像を成長期の正常なX線画像として、以下に1群〜4群までのX線画像略図を参考として掲載します。
転位の無い不全骨折では、3週間の患部の安静(内、2週間の包帯固定)でほぼ治ります。転位のある場合、橈骨頭の外方傾斜角がおよそ30度以下の1群に属する程度ならば徒手整復により矯正され、保存的治療(手術をしない治療)を行います。幼児(5歳以下)では多少の転位は自然矯正されますが、橈骨頭の形状が成人の形に近づいている小学生以上の子どもでは、できる限り正確に整復する必要があります。
橈骨頭の外方傾斜が30度を超える2群以上に属する転位がある場合は、整形外科の手術により整復を行います。
整復処置後、肘関節直角屈曲位でギプスや副子などによる固定を施行します。固定期間は約3週間が目安です。
骨癒合後しばらくは肘関節の可動域が狭くなりますが、変形癒合(変形したまま骨がくっついてしまうこと)を起こさなければ自然と正常に戻ります。
5歳以下の幼児では、骨がずれたまま癒合しても自然矯正されて、予後は良好です。小学生以上でも、整復、固定処置がしっかりしていれば予後は良好です。
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