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有痛性分裂膝蓋骨child medicine page No.17

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有痛性分裂膝蓋骨(膝蓋骨の分離症)

成長期の男子に多く見られる障害で、何らかの原因により分裂した膝蓋骨に疼痛が起こり、歩行や運動に障害を生ずる疾患です。
この障害は、厳密にはスポーツ障害に分類されるものではないのですが、疼痛などの症状の発現は、スポーツがきっかけの事が多いためこのページに載せました。
分裂部分は外側に多く、特に外側広筋付着部の上外側部分で分裂しているものが最も多く見られます。また、2分裂だけではなく、3分裂やそれ以上の多分裂も見られることがあります。
分裂膝蓋骨の原因はまだはっきり分かっていません。先天性異常、後天的癒合不全、外傷性癒合不全など諸説いわれており、原因も多様的ではないかと思われます。ただ、分裂膝蓋骨が必ず障害をもたらすものではなく、疼痛や機能障害を生じる有痛性のものだけが臨床上問題となります。以下有痛性のものについてまとめてあります。

膝蓋骨の分裂パターン

整形外科では、治療方針を決める参考としてSaupeの分類を用いることが多いようです。このSaupeの分類は、以下の画像の様に分裂を生じた位置により1型から3型に分けられています。

Saupe分類1型
Saupe分類2型

Saupe分類3型
Saupe分類3型〜多分裂

発生原因

上記の通り分裂膝蓋骨の原因は特定されていません。
膝蓋骨は小さな骨核(こつかく:成長軟骨より骨が形成される元になる部分)と大部分の成長軟骨から始まり、成長と共に徐々に成長軟骨部分の骨化が進み、成人と同様の形に形成されていきます。その過程で上外側部分の骨形成が最も遅く、上外側に発症する確立が高いのは、この成長過程に起因するところが大きいと言われています。
骨形成が完成する前の成長軟骨部分は耐久性に劣るため、外力に対する抵抗力が完成された骨と比較して物理的に脆弱であること、さらに膝蓋骨の上外側には強力な大腿四頭筋の腱が付着し、大腿四頭筋の外側広筋の張力の影響を受けやすいという物理的な環境下にあることから、骨形成が部分的に阻害された結果と考えられています。この事は整形外科の治療方法の一手段として、外側広筋や外側支帯という腱を一部切離する処置があるのですが、その切離により膝蓋骨の上外側にかかる筋肉の張力を除外することにより疼痛が消失したり、分離した部分の癒合が起こるなどの改善が見られるためです。ただし、少数例ではあるものの様々な分裂タイプがあるので、膝蓋骨の形成過程で何らかのその他の因子が影響していることも想像されます。
この様に原因のはっきりしない分裂膝蓋骨ですが、有痛性のものに限っては、その多くで外傷やスポーツによる過剰な負荷や反復される負荷など、何らかの外力がさらに加わることで 分離骨片と膝蓋骨本体の間を繋ぐ軟骨や線維を損傷し症状が出現します。

症状

膝蓋骨の外側もしくは下端に疼痛や圧痛を有し、疼痛は運動で誘発され安静で軽快します。
触診では、分裂部分に骨性の膨隆を触知することがあります。また、癒合不全により転位している場合は、異常可動性を触知することもあります。
X線検査では、分裂部分が膝蓋骨の形成過程で癒合しなかった骨核であるため、骨折とは異なり丸みを帯びた形状であることが多く、中には分裂部分の開大や転位が見られることもあります。 また、スポーツなどを誘因として起こるものでは、分裂部分の境界部の軟骨を中心に、骨折や疲労骨折を生じた様な鋭利な形状を呈する症例もあり、膝蓋骨骨折との鑑別を要することもあります。

治療と予後

運動を中断し安静とすることで疼痛は軽快します。また、先天性のものを除き、スポーツなどの負荷により癒合不全が起こっていると思われるものについては、癒合促進のため低周波や超音波療法を施行します。また、外側広筋など大腿部筋群のストレッチや運動療法を行うことで症状が改善されるケースも多く見られます。
スポーツに復帰する場合は、段階を踏んで慎重にケアをする事が重要です。先ず、疼痛消失後は分裂部分に負担の掛からない運動のみ許可し、運動中は患部をテーピングやサポーターなどで固定します。同時に大腿四頭筋やハムストリングの運動にアンバランスが存在する場合は、理学療法士やスポーツトレーナーの指導下で、脚部のアライメントや運動動作の修正を行うことも重要です。
尚、3ヶ月以上の経過でも症状に改善の傾向が観られない場合、整形外科による分裂骨片の摘出、分裂骨片の接合、外側広筋や外側支帯の切離(上外側型の場合)などの手術が検討されます。
予後は保存療法で癒合されれば良好です。また、手術による治療でもほとんどの場合予後は良好のようです。ただし、発病や発見が遅く、関節面の変形が進んでいる場合は、変形性関節症の症状が残存します。


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