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この骨折は、転倒などにより手を突いた際に、橈骨を介する外力が上腕骨の外側顆に働いて生じます。
だいたい5歳〜10歳ぐらいの小児では、図の様に上腕骨遠位端が成長軟骨で構成されています。ただ、上腕骨小頭には成長の核となる小頭核が出現しており、他の軟骨部分よりも強度がやや高くなっています。そのため、転倒して手を突いた時、橈骨を介して伝わる外力と上腕の方から伝わる自重負荷が上腕骨外側顆で衝突した際、強度の高い小頭部分よりも、その直ぐ近くの強度の弱い軟骨に骨折を生ずるため、上腕骨小頭を避ける様に骨折線の走行が斜め(斜骨折)となります。
肘の外側のくるぶし(上腕骨外側顆)に圧痛・腫脹・皮下出血が見られ、肘の屈伸や前腕の回旋運動により疼痛が誘発されます。骨片転位が著明な場合は、健側(痛めてない正常な側)の肘と比較して患側(骨折を生じた患部側)の肘の外側前面がやや膨隆し、肘が内反(内側に反った形状)して見えます。
レントゲン検査では、著しい転位を有する場合は診断が容易ですが、骨片転位がわずかな場合、あるいは骨の成長度合いによっては、成長軟骨の豊富な部分に係る骨折なので判別が難しいこともあります。次の3つの図でレントゲンに描出される外顆骨折の略図を示します。
図1は転位の無いもの。この状態ではレントゲンによる骨折の有無や上腕骨顆上骨折との判別が難しいといえますが、転位は明らかに無いことが分かるので、あまり問題にはなりません。
図2は外顆骨片の若干の転位を有するもの。図3は回転転位を起こしたもの。どちらもレントゲン画像上では、剥離した小さな骨片に見えるが、実際はかなり大きな骨片である。
※図3の左右方向への回転転位のほかに、骨折面が後方へ向くような前方への軸回旋を起こすこともあり、実際には、上下方向も加わり3方向の転位が複合することが多い。
骨片転位が無い場合は、包帯副子固定を約3週程度行います。転位が比較的小さい場合は徒手整復を施行してから包帯副子固定を約4週程度行います。転位が大きい場合は、整形外科による手術的な整復と固定となります。
固定除去後のリハビリは自動運動(患肢の自力による運動)とし、日常生活動作がなんとか可能な状態になったら、後は自然に回復していきます。
予後は骨片転位が無いか、転位の程度が小さければ良好です。骨片転位が大きく、整復の時期が遅れると偽関節や変形治癒を起こしやすくなります。また、整復不十分で変形治癒や偽関節を起こした症例では、進行性の外反肘(肘が外側に反る変形)やそれに伴う遅発性の尺骨神経麻痺を起こすこともあります。この場合、外反肘を矯正する手術を受ける必要があります。
※ 進行性外反肘と遅発性尺骨神経麻痺
上腕骨外顆骨折で変形治癒や偽関節を起こすと外顆部分の成長障害に至り、内顆側が成長するに連れて肘の外反(外側に反る変形)が徐々に進行していきます。かなり顕著な外反を起こすと、内顆側を通る尺骨神経が圧迫・過伸展されて神経麻痺を起こします。尺骨神経が肘の部分で障害されると、前腕の内側と手の4指(薬指)、5指(小指)に痺れ(しびれ)が起こり、また、4指、5指と母指球(手のひらの母指付け根にあたるふくらみ)の筋肉が萎縮して機能障害を生じます。
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