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アキレス腱炎はアキレス腱の炎症で、アキレス腱周囲炎はアキレス腱を覆うパラテノンという組織に炎症が起こったものをいいます。後者をアキレス腱の腱鞘炎と表現される先生もいます。
病理学的には区別しますが、治療や予防に関しては同じ扱いで施行されます。
※ パラテノン(腱傍組織 paratenon):アキレス腱を被覆し代謝を助け、滑動性を高める腱鞘的作用がある。
スポーツやレジャーでアキレス腱に過度の負担を掛けて起こるものが多く、特に山登りや傾斜地でのトレーニングで発生頻度が高まります。また、普段運動をあまり行わない人や日常運動をしている人でもアキレス腱の柔軟性が低い場合に発生頻度が高まります。すなわち、アキレス腱の伸張能力の限界に近い範囲での動作の繰り返しで炎症を起こすものです。
アキレス腱部の圧痛、運動痛、腫脹、握雪音(あくせつおん:アキレス腱を動かすとギシギシきしむような音がする)などが観察され、アキレス腱を伸張したり傾斜地(登り)の歩行で疼痛が増強されます。腫脹(腫れ)の程度はアキレス腱周囲炎の方が強く出現しますが、それだけでアキレス腱炎との判別はできません。また、アキレス腱の微細な断裂・挫傷でも類似した症状を呈するので鑑別に注意が必要です。
尚、有痛性三角骨を含む足関節の距骨後部圧迫症候群という障害でもアキレス腱の痛みを訴える場合がありますが、アキレス腱の障害では足関節の背屈(つま先を上に向ける方向へ足首を曲げる)で疼痛を誘発し、距骨後部圧迫症候群では足関節の底屈(つま先を下に向ける方向へ足首を曲げる)で痛みを誘発します。また、アキレス腱付着部の外側や内側の何れか側面で腫れや発赤、痛みが出現するハグランド病(アキレス腱滑液胞炎)では足関節の背屈・底屈で疼痛が誘発されることは無く、単純に炎症部位が靴などで圧迫されると痛みが増悪します。これらの特徴がアキレス腱炎やアキレス腱周囲炎との鑑別の指標となります。
痛みや炎症が消失するまでの間、患部の安静が基本です。通常は3週程度の安静を要します。また、慢性化したものでは3ヶ月以上の安静を要することもあります。
炎症の初期で熱感や腫脹を伴うものは、アイシングや冷湿布、消炎剤の塗布などが有効で、症状の強い場合は包帯やヒールウエッジなどで軽度尖足位固定(かかとを少し高くした状態で固定すること)を施行します。
靴は踵の高めのものを履くか、インソールやヒールウエッジなどで踵を高くするとアキレス腱の緊張が緩んで疼痛緩和効果があります。
炎症が鎮まったら(安静の状態で10日前後)、温熱療法やストレッチ、マッサージなどでアキレス腱の代謝と柔軟性の向上をはかる処置を行います。
慢性化してアキレス腱やパラテノンの変性が起こっている場合は、回復を早めるために整形外科で変性部分を除去する手術などが施行されることもあります。
アキレス腱の拘縮(こうしゅく:固まって柔軟性を失った状態)を起こすこともありますが、予後は比較的良好です。
再発予防のために、アキレス腱の柔軟性を高めるストレッチを習慣付けることや運動前のウォーミングアップをしっかり行うことが大切です。また、O脚や外反足(回内足)などのアライメント異常を有する場合に発症しやすい傾向があるため、そのような場合は運動時に使用するシューズにインソールやウエッジソールなどを使用してアライメントの補正を行うことも有効です。
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