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骨化性筋炎(こつかせいきんえん)とは、筋肉や腱、関節包、靭帯など、骨以外の組織中に骨様組織を形成してしまう障害で、異所性骨化ともいいます。
発生原因には骨折、あるいは骨に密接している筋肉や腱・靭帯の打撲や挫傷による損傷が挙げられます。
骨折の場合は、骨折部位に近接した筋肉や腱・靭帯の損傷部分に起こります。この場合、骨修復反応として生じた骨増生を行う細胞が近接した筋肉や腱などに広がって骨様組織を形成するケースです。また、骨折癒合反応が治まる前に過剰なリハビリを行う事で、その刺激により近接した靭帯や腱などに骨様組織が形成されるケースもあります。
一方、打撲や挫傷などでは、痛めた組織に密接した骨膜や骨組織が刺激されて骨増生を行う細胞が活性化されて骨様組織を形成するケースです。
スポーツ障害としては、大腿四頭筋にこの障害を発症する症例が多くみられます。この様なスポーツ障害として起こるものでは、外傷を発生原因とする他、過剰な運動や反復される運動により骨膜や骨組織に近い部分で炎症を起こすことで、骨増生細胞が活性化されて発症するケースがあります。
骨化性筋炎の発症例が多いスポーツには、サッカーやバスケットボール、空手などのコンタクトスポーツがあげられます。これらのスポーツで選手同士の接触による打撲などの外傷を受けた後、休まずに続けて運動をすることが原因で発症したケースに多く遭遇します。
大腿四頭筋の骨化性筋炎は、サッカーやラグビーなどで大腿部の打撲をきっかけに発症する症例を多く見ます。
文献により、大腿四頭筋の前面の中間広筋で生じるものが多いと記載されているものや、大腿四頭筋の外側の外側広筋に生じるものが多いと記載されているものがあります。当院で経験した症例は3件と少ないですが、外側広筋2例と中間広筋1例でした。
大腿部のびまん性腫脹
外側広筋で発症した場合は外側、中間広筋で発症した場合は前側に、その筋肉の中央を中心に周囲がぼんやり腫れた状態となります。
膝関節の屈曲制限
骨化性筋炎を起こすとその部分の伸縮性を失うため、膝が深く曲げられなくなります。
運動時の疼痛
運動をすると痛みが出ますが、安静にすると痛みが消失します。ただし、病状が進行すると安静時の痛みも感じるようになります。
一般的に打撲や筋肉の挫傷の場合、余程損傷がひどく無い限り、安静により3週程度経過すれば腫れや痛みは殆ど消失するのですが、大腿部の明らかな腫れや運動痛、膝関節の屈曲制限が1ヶ月以上経過しても治まらない場合は、本症を疑います。尚、外傷などによる細菌感染で蜂窩織炎(ほうかしきえん)を発症した場合も同様に腫れや痛みなどの炎症特有の症状が見られますが、蜂窩織炎では表層の皮下組織で発症するため、膝関節の屈曲制限は起こりません。
打撲や挫傷の程度が本人があまり自覚しない様な軽い場合でも、その後の運動刺激などで損傷部分が後から悪化(筋肉の傷が広がる)して起こる場合もあり、単なる筋肉痛と思っていたが、なかなか痛みが引かず、心配になって診察を受けたら本症が発見された例もあります。従って、大腿部の運動痛と腫れがある場合は必ず整形外科の診察を受けてください。発症していればレントゲン検査で明確に分かります。
治療は、レントゲン検査で筋肉内に発生した骨性組織の消失が確認されるまでの間、安静とすることが基本です。それまでは、大腿四頭筋に負荷の掛かる運動は一切禁止してください。
予防は、大腿部の打撲や挫傷を受けたら、痛みが治まるまで患部の安静、消炎、場合によっては固定を施行することです。特に骨(大腿骨)に衝撃を受けるような打撲の場合に注意が必要です。
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